【コラム】DX推進における課題。DXを進めるには[DXの歩き方コラム第2部(全3部)DSolマーケティンググループ監修]

  • 2021/2/24

はじめに

DXを推進するには、どんな課題を解決するための取り組みを講じるべきなのか。デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現しなければ、どんなリスクがあるのか。第2部では、経産省の「DXレポート」が指摘する「2025年の崖」の内容とDX推進の手順について考える。

「2025年の崖」を乗り越えるには

日本国内にDXの重要性を認識させるきっかけを作ったのが、2018年9月に経済産業省が発表した「DXレポート」だ。レポートでは、もしDXが進まなければ「2025~2030年の間に最大で年間12兆円の経済損失が生じる」と警告している。これがいわゆる「2025年の崖」という問題だ。

 2025年の崖は、レガシーシステムをそのまま運用し続けたときに想定される国際競争力の低下や国内の経済停滞といったリスクを表している。DXレポートによると、2025年に21年以上稼働するレガシーシステムが全体の6割を占めると予測されている。

このような老朽化・複雑化・ブラックボックス化したレガシーシステムは、運用保守に多大なコストと人的リソースが必要になるため、そのまま運用し続けていくと新たなデジタル技術への投資が難しくなり、ビジネス機会の損失を招いてしまう。しかし、もしITシステムがフルクラウド化されていれば、社内IT設備が簡素化し、柔軟性の高いリソースをすぐに調達できるようになるため、運用コストの削減や生産効率の向上といった、さまざまなメリットを享受できるようになる。これらの理由から、いち早くレガシーシステムの刷新を目指すべきだと言えよう。

 そこで経産省は、2025年までにレガシーシステムを刷新するためのDX推進を提案している。最初にレガシーシステムの機能や業務プロセスの棚卸しを実施し、次にシステム影響範囲を調査して無駄な機能や業務プロセスを整理。その後にビジネスの変化に即応できるシステムを再構築することで、2025年の崖という危機を克服しようというのである。

DXを推進する正しい手順

DXを推進するには、どのような手順で取り組みを進めればよいのだろうか。DXに取り組むにあたっては、まずはデジタル技術を駆使してビジネスをどのように変革すべきか、企業経営者による意思決定が求められる。そのうえで組織の仕組みや体制の構築も必要だ。そうしたDX推進の手順を示すため、経産省は2018年12月に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」を発表した。  DX推進ガイドラインの内容は、

  1. 「DX推進のための経営のあり方、仕組み」
  2. 「DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築」

の2つで構成されている。1. 2.にはそれぞれ以下のような項目に分かれており、順番にチェックしながら進めていくことでDXに取り組めるようになっている。

DX推進ガイドラインの内容:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver.1.0」2018 年12月より

ちなみにDX推進ガイドラインには具体的な記載はないものの、レガシーシステムの移行先としては、ビジネス機能の小さなサービスを組み合わせてシステムを構成するマイクロサービスのアーキテクチャーを取り入れた、クラウドネイティブなITシステム基盤を用意するのがよい。さらに、フルクラウド化を目指すために、社内システムを棚卸して有効なIT資産を可視化し正しく把握。その後、IaaS、PaaSなどを活用して一つ一つのシステムをクラウド化していき、最後にすべてを統合するという進め方が望ましい。

「DX推進指標」で自社の取り組みの現在地を分析

DX推進ガイドラインを発表して半年が経過した2019年7月、経産省はさらなるドキュメントを取りまとめた。それが「デジタル経営改革のための評価指標(DX推進指標)」だ。DX推進指標は、各企業が簡易的な自己診断を行えるようにしたものであり、経営層・事業部門・DX部門・IT部門といった関係者間で現状と課題の認識を共有し、次のアクションにつながる気付きを提供することを目的としたもの。具体的には、

  1. 「DX推進のための経営のあり方、仕組みに関する指標」
  2. 「DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築に関する指標」

で構成され、企業が直面する課題と解決するために押さえるべきポイントがまとめられている。

自己診断結果は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に提出すると診断結果を総合的に分析。診断結果と全体データとの比較が可能となるベンチマークが作成され、自社と他社の差を把握して次にとるべきアクションについての理解を深めることができるようになる。

DXのレベル(例)

ディーアイエスソリューションSI事例サイト

自社のDXの現在地がどのレベルにあるか把握することで、次に取るべき行動が見えてくる。
第3部では、DXを推進するために検討すべき技術要素について紹介する。


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