「業務改善へのミチノリ」 第11回 「情報システム部門は非生産的」な考えを撲滅!(2) ~シスコシステムズの新ネットワークソリューション構想~

  • 2017/10/31

はじめに
「業務改善へのミチノリ」コラムを書かせていただいています、橋川 吾教(ミチノリ)です。

秋たけなわの好季節となりましたが、如何お過ごしでしょうか。前回から記念回連載の現在の情報システム部門を取り巻く課題とそれを解決するシスコシステムズ社のソリューション構想について引き続きご説明させていただきます。

前回のコラムでは、「情報システム部門が非生産的な部門である」という評価をしている企業が増えているということについてお話致しました。その原因となっているのは、ユーザー側が享受している利便性と引き換えに増加してしまった運用コストであり、その多くはネットワーク変更や障害解析などの「日常的な対応業務」が占め、ユーザー側のヒューマンエラーによって引き起こされている場合が多いということをご説明致しました。

日常的なインシデント対応の積み重ねは、運用コストだけでなく情報漏洩のリスクも上げる

以上のことから、情報システム部門に対する悪評を払拭するには「日常的な対応業務を削減すれば良い」ということになります。それでは、前回予告しましたそれを実現するシスコシステムズ社のソリューションについてご説明致します。まず、 「日常的な対応業務」削減のための重要な要素として「SDN」と「シングルインスタンス」という概念があります。

・SDN(Software Defined Networking)
   →ネットワークを“アプリケーションから”直感的に管理・設定できるようにすること

・シングルインスタンス
  →全ての部署・関連会社・地理的に異なる場所であっても、単一のシステム上で効率的なネットワーク管理が行える環境のこと

つまり、「インターネット環境さえあれば、アプリケーションを通してネットワークの管理が行えること」です。これによく似たソリューションのご説明を以前のコラムでしましたよね……?

そうです、Cisco Merakiです!Cisco Merakiは、情報システム部門が今後目指すべきネットワーク構築モデルの先駆けとしてリリースされたのです。つまり今回は「Cisco Merakiのような手軽なネットワーク構築を企業の中全体で実現する」というお話なのです。こんな夢のようなことを実現するのがCisco「デジタル ネットワーク アーキテクチャ(DNA)」です。 「Cisco DNA」は、様々なネットワーク機器を統制するアプリケーションを仮想的に構成し、そのアプリケーションを通して操作・監視することによって企業内全てのネットワークを管理することが可能になるソリューションです。

・Cisco DNA(Digital Network Architecture)
   →今回ご説明する下記ネットワーク統合管理リューションの総称。

・Cisco DNA Center
   →上記DNAを一元的に管理できるコンソール。直感的に操作できるダッシュボードで上述の「SDN」および「シングルインスタンス」を実現する。

・Cisco APIC-EM(Cisco Application Policy Infrastructure Controller Enterprise Module)
   →ネットワーク構成・設定をアプリケーション上で実施するモジュール。Cisco DNAの中核を担う機能。

・Cisco NDP(Cisco Network Data Platform)
   →ネットワーク データの収集・分析・報告と、機械学習によるポリシー改善の提言をする。

・Cisco ISE(Identity Services Engine)
   →セキュリティポリシーの管理・設定・適用・監視をする。

・Cisco Stealthwatch
   →ネットワーク内の脅威検出・駆除をする。

■Cisco DNAは、全ネットワーク統合管理「SDN」且つ「シングルインスタンス」で実現

現行のCisco Merakiとの大きな違いは、カバー対象となる機器の範囲もありますが、「NDP」の部分にある通り機械が「自ら分析・学習して改善を提言する」ところにあります

■Cisco DNAで基本的には日常的なインシデント対応はほとんどしなくても良くなる

シスコシステムズ社の発表によりますと、2020年には「自己学習・自己修正・自己駆動」も実現する予定とのことです。こうなると、情報システム部門はITインフラの運用に関して基本的に何もしなくて良くなるのです。これにより、運用に掛かっていた時間・コストを大幅に削減して、その代わりに売上に貢献するような攻めのITインフラにシフトしていくことが可能になるのです。

次回は、Cisco DNAの提供形態についてご説明したいと思います。

※本コラムで紹介した、Cisco Merakiについて興味がある方は以下をご覧ください。
https://www.si-jirei.jp/cisco/meraki/

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