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アンチウイルスコラム第9回:アドウェアはウイルス?何が問題?
- 2016/2/20

先日Dr.Webのブログにて、悪意のあるAndroidアドウェアについてお知らせされていました(*)。
「アドウェア」「マルウェア」「スパイウェア」など、どれも似たような言葉ですが、「アドウェア」自体はウイルスではありません。広告を表示するソフトウェア(advertising-supported software)全般を「アドウェア(adware)」と呼び、そのうち利用者の許可を取らなかったり、利用者に被害を与えるような悪質なものがマルウェア(ウイルスなどの悪質なソフトウェア)に含まれます。
とはいえ、敢えて広告を見たい方は少ないと思います。無料でアプリを使用するためにしぶしぶアドウェアを許可している場合などが多いでしょう。ですので、アドウェアはグレーゾーンなソフトウェアともいえます。
私の身内に起きた話をします。ある日有名どころのウェブサイトを開いたら、ページ上の広告欄に「パソコンが危険な状態になっています。今すぐこちらのウイルスチェックを行ってください。」といった警告が表示されたそうです。例え大手企業や有名サービスのサイトであっても、これは第三者が勝手に表示している罠の広告です。ウェブサイト上からパソコンが危険な状態かどうかを即座に判断することなんてできません。このような広告をクリックすると、やがて行き着く先はセキュリティ対策ソフトの購入画面になります。そのウイルス対策ソフトは恐らくまがい物で、インストールするとさらに他のウイルスを呼び込むことになるでしょう。また、購入途中で入力したクレジットカード番号などは、不正使用される可能性が非常に高いので注意してください。
上記のように、いつもと違った広告を見た場合は、無視するか、ブラウザを閉じましょう。間違って購入画面へ進んでしまった場合でも、罠だと気づいた時点で中止してください。
悪質なアドウェアの中には、利用者の情報を抜き取って攻撃者のサーバーに送信してしまう「スパイウェア」の機能を備えたものもあります。これらのアドウェア(スパイウェア)が作動すると、次のような問題が発生します。
・身に覚えのないウイルススキャンの画面が表示される
・広告やアダルトサイトが表示され、画面が閉じられなかったり、閉じても繰り返し表示されたりする
・ブラウザ(IE)のホームページ(最初に表示されるページ)が勝手に変更され、修正できなくなる
・ブラウザ(IE)の検索画面が勝手に変更され、修正できなくなる
・ブラウザ(IE)に不要なツールバーが勝手に追加され、削除できなくなる
・ブラウザ(IE)のお気に入りに、登録した覚えのないサイトが大量に追加され、削除できなくなる
・キーボードで入力したあらゆるテキストが外部に送信される
・氏名や住所、パスワード、クレジットカード番号、口座番号などの個人情報が外部に送信される
・パソコンの通信用のポート(出入り口)が意図せず開かれ、他のウイルスの侵入経路になる
・不明なアイコンがデスクトップに作成され、削除してもパソコンを起動するたびに再作成される
これらの問題により、次の被害に合う可能性があります。
・オンラインバンキングで不正送金が行われる
・クレジットカードが不正利用される
・ソーシャルネットワークサービス(SNS)やブログのアカウントが乗っ取られる
・コンピューターが攻撃者に操られ、他の悪事のために勝手に使用される(濡れ衣を着せられることもある)
対策としては、ブラウザでもソフトウェアでも、変な画面が開いてしまった場合はすぐに閉じましょう。閉じるボタンが無い場合は[Alt]キーを押しながら[F4]キーを押して閉じることができます。
上記のような問題が何度も起きる場合は、ウイルス駆除ソフトで改善させるか、最終的にはパソコンを初期化してウイルス対策ソフトを入れなおすことになるでしょう。また、漏洩してしまった銀行口座やクレジットカードは新しく作り直す必要が出てくるかもしれません。
そうならないためにも、普段からウイルス対策ソフトを正しく設定して利用するのがベストですね。
※Dr.Webやアンチウイルス製品については以下をご覧ください。
https://www.si-jirei.jp/secure/dr-web/
— * http://news.drweb.co.jp/?i=950&c=1&lng=ja&p=0