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仮想デスクトップコラム第9回仮想化が導く、これからのクラウド最前線
- 2015/10/15

今回は特別にヴイエムウェア中之島淳之介氏に寄稿頂きましたので番外としてご紹介いたします。
中之島淳之介氏プロフィール

第9回仮想化が導く、これからのクラウド最前線
最 近は“クラウド”が当たり前になり、オンプレミスだけではなく、パブリッククラウドでの採用事例も増加している傾向にあります。その背景には、必ずと言っ ていいほど仮想化技術が用いられていると言われています。広く普及されてきた仮想化も、現在では大きく進化し、クラウドを支えています。私が2013年か ら2014年にかけて執筆した「VMwareの基本」という本も、仮想化製品の最新版リリースに伴い、改訂版を出版することになったわけですが、改訂版と いう言葉には収まらないほど、書き加えなければならないことが多すぎて、もう1冊執筆した気分になったほどだったからです。このように、仮想化はここ数年 で、みなさんが考えているよりもずっと早い速度で変わってきています。できないと思っていたことができるようになっていたり、想像を超えたテクノロジーも 提供されているようになっているはずです。
もちろん、仮想化というベースは今までと変わらないのですが、仮想化できるコンポー ネントが多くなり、それぞれの自由度が高くなっています。これはクラウドをより便利にするために、常に進化し続けている結果です。仮想化すると、全てソフ トウェアコントロールの配下に置くことができるようになります。つまり、それは抽象化と自動化です。
仮想化によって、ITシステムにおけ るサーバー・ストレージ・ネットワークといったコンポーネントを利用者が望む形にして渡してあげることができるようになります。物理サーバーがあれば、仮 想化によって、CPUもメモリも好きな量を切り出すことができるようになったのと同じように、ディスクさえあれば、RAIDを構成しなくても好きな容量を 望む性能と耐障害性レベルで利用できるようになります。さらに言えば、ネットワークセグメントやファイアウォール・ロードバランサー・ルーター・VPNと いったものも、好きな場所に好きな機能を提供できるようになっています。これがいわゆる抽象化によるメリットです。
今 までは、仮想化されたサーバーを、x86サーバー上で仮想マシンとして動作させていたわけですが、その範囲が広がり、ネットワークやストレージのコンポー ネントも仮想化されて動作します。誤解を恐れずにいえば、物理サーバーさえあれば、共有ストレージやネットワーク機器まで不必要になってしまうこともある かもしれません。みなさんがお持ちのネットワーク環境に、サーバーもストレージもネットワークも仮想化された環境を、ネットワークケーブルで繋げばよいと いう、非常にシンプルで効率的なITシステムが実現できるようになるわけです。
抽象化されたコンポーネントが、ソフトウェアによって全て 自由に扱えるようになったとすれば、それらを管理者の手を煩わせることなく、利用者が数分で使えるようにすることは非常に簡単です。利用者が望む形を WEBポータル等で申請させれば、数分後にはソフトウェアによって自動的にセットアップされることになるわけです。
こ のようにソフトウェアで定義可能なレベルは、データセンターにまで広がっています。そのため、このように仮想化を利用してソフトウェアで全てを定義可能な ソリューションを総称して、「Software-Defined Data Center(SDDC)」と呼んでいます。そして、この流れは既にプライベートで構築するクラウドだけではなく、サービス事業者が提供するパブリックク ラウド側にも及んでおり、より便利にITシステムを構築できる時代になっています。
本日はヴイエムウェア 中之島淳之介氏より特別寄稿頂いたコラムを番外として掲載いたします。
今 回の内容では、出版した「VMwareの基本」の全てを網羅することは難しいですが、今回の記事を読んでいただくことで、この書籍にどのようなことが書か れているのか、見ていただければと思います。さらに、仮想化の最新情報を仕入れていただき、現時点で実現可能なことを知っていただいた上で、どこまで実現 すべきかを考えるきっかけにしていただければと思います。いままで頭の中でぼやっとしていたことや、曖昧なままにしてしまったことを改めて整理できると考 えています。さらに仮想化を既にご存知の方には、機能が記されているというよりは、具体的には機能をどのように使えばよいかについても述べているつもりで す。仮想化をこれから始められる方も、既にご存じの方も、今後の検討や提案の基礎知識としていただければ幸いです。