仮想デスクトップコラム第2回 VDIのメリット・デメリットを改めて考えてみる

安井智志コラムVDIのバナー
VDIは、多くのメリットがありますが、反面デメリットがあるのも事実です。
自 社の導入検討にあたっては、それらを十分に理解した上で、導入目的が投資コスト以上の価値があるのかを判断する必要があります。どんなシステムでも同様で すが、検討する際に重要なことは、現状だけを見るのではなく、自社の事業計画から今後の自社を取り巻く環境がどうなるのか、それによりどのような環境が必 要で、ワークスタイルがどうなるべきなのか、等を考えて頂くことです。現時点で求められている要件だけで判断しても適切な判断はできないからです。以下、VDIの主要な導入目的から、メリットとデメリットを考えてみたいと思います。1.TCOの削減を目的とする(特に管理コストの低減)仮 想デスクトップを検討する際にまず頭に浮かぶのが、VDI導入による運用管理コストの削減ではないでしょうか?VDIの導入により、現在必要な運用管理業 務は大幅に削減され、効率化することができます。特にPCの調達~キッティング~配布~配布後の運用(アプリケーション展開・パッチ当て)~廃棄までのプ ロセスは簡素化され、確実に対応時間が短縮されます。
注意点としては、少なからずVDIの導入により、増える業務もあるということです。
前述したように、VDIは従来ユーザ側が管理してきたデバイスとデータを、会社側が面倒をみることになります。もし、現状でユーザからの問い合わせが多くて困っているという企業が、VDI導入でその対応がなくせるかというとそうとも限りません。
この目的でVDIを検討する際には、VDI導入後、具体的に現状のどの業務がどの程度削減され、逆にどのような運用管理が加わるのか(仮想環境周り)について十分に理解し、予め効果と対策を明確化しなければなりません。管理コストの低減を目的にする場合、以下のような企業で効果が大きいと考えます。

(A) 本社システム管理部門が管轄する端末が拠点に分散している
(B) システム管理部門の一人当たりの運用管理端末(タブレットなど含む)が多い。
または今後多くなる見込みがある。
(C) ユーザのITリテラシーが低い中で、IT利用、データ保護、セキュリティポリシーが厳格に設定されている。または今後強化される見込みがある。

上 記に該当しない場合、管理コスト低減を目的とした全社導入は、コストに見合わない可能性が高いです。管理コスト低減という目的で検討する場合には、全社を 対象とした導入だけでなく、目的をピンポイントに絞り、負担が掛かっている対応の解決を目的とした導入の検討も必要になります。※(A)であれば、拠点端 末だけを対象としたVDIなど

2.情報漏洩対策を目的とする

端末側にデータを持たない為、最大のセキュリティ対策となります。これまで個別に導入していた一部のデバイス制御系ソフトやHDD暗号化対策等も不要になります。
この目的で導入を検討する場合には、全社を対象とせず、企業の核となるデータを所有する部門やPCの持ち出しが必要な部門からピンポイントで導入を検討することになります。
昨今では、ワークスタイルの在り方も大きく変わり、従来PCの持ち出しを禁止していた企業が開放する動きが強くなっている為、この対策として導入を行うお客様も多くなっています。
しかしな、セキュリティ対策としてVDIを選択するのは、コストの関係もあり、相当にセキュリティ意識の高い企業で、且つその大半がトップダウンでの指示であることが多いです。
他のセキュリティソリューションと同様、ユーザ側の利便性をどこまで損ねずに実装できるかが課題となります。

3.データ保護を目的とする

昨今、クライアント側の情報漏洩対策だけでなく、データ管理という面でVDIを検討される企業が増えています。単純にクライアント側のデータを定期的に バックアップしたい、データを管理したいというニーズが高まっていると言えます。VDI環境では、サーバ側で一元的なデータ保管を行う為、クライアントア プリケーションのマスター化やバージョンアップ作業等、システム側で享受できるメリットも沢山あります。
課題として、どこまでのデータを保全するのか、増加し続けるデータをどう制限していくのかは事前に明確化しておく必要があります。

4.モバイルの活用を目的とする

昨今では、モバイルはPCだけでなく、タブレットやスマートフォン等のスマートデバイスの普及により多様化しており、一人が数台のデバイスを持つことも珍しくなくなりました。
数年前より、営業部門や役員層にタブレットを一斉配布し、利用を促している企業が多いですが、実際のところユーザ側では利用価値を見出せず、重いという理由で持ち歩きすらしていない実情をよく聞きます。
モ バイル活用を促す場合には、VDIはデバイスを選ばず、データも保持しないという点では非常に有効な対策です。自由にデバイスを選択できるという点で、 ユーザ側が直接的にメリットを享受できるのはこの目的だけです。注意点として、VDIは絶えず回線環境に左右される為、ユーザがハードモバイルワーカーの 場合には、一定期間のユーザテストや利用目的を変えるなどの対処が必要です。
また、モバイル活用ではありませんが、現在のクライアント環境が、CPU・メモリ・グラフィック等負荷の高いアプリケーションの稼働が必須となる場合にも、同様のユーザテストが必要となります。(このような端末の置き換えとしてVDIの導入は好ましくないと思いますが。)

5.災害対策を目的とする

こ こ最近は、災害対策として大規模なコストを投下するケースが少なくなっているのが実情です。その為、災害対策という目的が主になることは少なく、明確な目 的があってのプラスα要素という位置づけの方が強いと思われます。例えば、営業向けの小規模なVDI環境さえあれば、有事の際にその環境を一時的に開放 し、ユーザアカウントを共有することで、緊急業務が必要な特定社員やシステム管理者向けに提供することも可能になります。

まとめ

今 回は、一般的なVDI導入の目的から、その有効性や課題について述べさせて頂きました。実際に導入を検討する場合は、上記の目的が複数組み合わさる場合が あると思います。中期的なスパンの中で、上記に該当するニーズや要件が求められる企業、負荷の高い運用管理業務を行っている企業にとっては、投資コストに 見合うVDI導入を検討できる可能性があります。今後のあるべき姿から貴社の導入目的を明確化して頂き、一度詳しい話を聞いてみてはいかがでしょうか?

次回は、『VDIの導入目的が明確化された後、具体的に何をどんな順番で検討を進めていくのが望ましいか?』、という検討ステップについてお話ししたいと思います。

※参考情報:VMware Horizon Viewソリューションもご覧ください。

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